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五月女 亮さん Ryo Saotome

  • 執筆者の写真: ロボコン事務局 ROBOCON Secretariat
    ロボコン事務局 ROBOCON Secretariat
  • 3 日前
  • 読了時間: 6分

〈プロフィール〉

Bチーム AI班

データサイエンティスト/AIエンジニア

2021年に勤めていた会社を退職し、フリーランスに転身。AIアプリやAIロボットの製作を行う。

DCON2023、2024(全国高専生ディープラーニングコンテスト)のテクニカルアドバイザーもつとめるなど、幅広く活躍している。

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40歳で覚醒! AIエンジニアの世界へ

 

――――五月女さんは、普段はどんなお仕事をされているんですか?

今はフリーランスのエンジニアをしています。2021年までは普通に会社勤めをしていて、IT関係関連の仕事をしてました。振り返ると2019年にディープラーニング協会のG検定(ジェネラリスト検定)を取ったのが転機になったと思います。そこからAIに興味を持って本格的に勉強を始めまして、エンジニア向けのE資格も取得しました。CDLE(シードル)というディープラーニング協会が作っているコミュニティに入会して、AI関連のコミュニティ活動も積極的にやりました。そこで色んな繋がりができて、その後、経済産業省がやっている「マナビDX Quest(当時はAI Quest)」にも参加して、企業向けのソリューションの経験も積みました。

そうこうしているうちに、当時勤めていた会社では身に着けたAI関連のスキルがあまり活かせないなと思うようになってきまして。それでサラリーマンを辞めてフリーになって今に至ります。

フリーになった時はちょうど40歳くらいで。最初は別の会社に就職しようかなと思っていたんですけど、年齢的にも難しいですよね。それまでと同じ業務の延長上での転職ならやりやすいんでしょうけど、違う分野に挑戦するとなると、結構難しいですよね。それでフリーになりました。

 

 

――――五月女さんのYouTube「手作りAIロボットに俳句を詠ます」には好奇心が溢れていて面白く拝見しました

去年くらいに作ったやつですね、ありがとうございます(笑)。もう今は、AIでほとんど人間レベルのコミュニケーションができるようになったので、じゃあロボットに載せてみたら面白いことができるんじゃないかと思ってやってみたんです。簡単にサッと作ってみたんですけど。

ただね、それ以上のステップになかなか進みづらいなという感覚もありまして。ですので、もっとロボットの勉強もしたいなと思って今回XROBOCONに参加したという経緯もあります。

緑濃し 紅葉橋の 夏の影
緑濃し 紅葉橋の 夏の影

 

ロボットよ、自ら考えろ!XROBOCONに望む“真の自律性”

 

――――XROBOCONに参加してみて、率直な感想を教えてください

実は今、妻が長期で入院してまして育児がワンオペなんです。それでなかなか時間が取れず、チームのメンバーにも申し訳ないと感じているんですよね。

でも、色々と勉強させてもらってますよ。私はチームの中のAI班のメンバーとしての活動をしていて、シミュレーター上での動作計画を立てたり、AIの作り込みみたいなところを担当しているんですが、チームのメンバーと色々とコミュニケーションすると新しい学びがありますよね。特にロボティクスはこれまで知識がなかった分野なので、得る知識が多いです。大会が終わって落ち着いたら、自分でもちょっと色々作ってみたいなと思い始めているところです。

 

 

―――― 一方で課題も多いと思いますが、どんなことが大変ですか?

そうですね、逆に言うとシュミレーターの環境とか、自分の知識がないロボティクスの部分を調べたりするとことで精一杯になってしまって、正直AIの部分をあまりうまく組み合わせられていないと感じている部分もあります。

AIだけで考えると、どうしても宙に浮いたような話になってしまいがちなんですよね。考えるだけならすごいことを色々と考えられるんですけど。でも実際のロボットとつなぎ合わせるってことを考えると、できることが限られちゃうじゃないですか。だから、もっと時間とってロボティクスの部分を勉強して、自分のAIの知見ともっと太く組み合わせられたらいいなと思っています。

 

 

――――AIの専門家として、今回のルールはどう感じていますか?今後の課題としてお聞きしたいです。

今のルールでは、フィールドの真上に取り付けられた俯瞰カメラの映像をロボットが得て、それで自分の場所を特定できますよね。舞台に出現するコインの場所も決められてますので、AIがその場で判断するっていうよりも、むしろ最初の作り込みでほとんど決まってしまうというような感じがあります。

ですので、 “自律性”をもう少し進化させたルールにしていくといいんじゃないかな。フィールドに居るロボットは自分が見えている範囲だけで俯瞰情報を考えなきゃいけない。例えば人間のサッカー選手だと、自分の目で見た情報から俯瞰的に物事を判断できるとか言われてるじゃないですか、それと同じですよね。そこまでロボットが自律的にできるようになるといいかなと。

だけど、そのためにはカメラとかセンサーとかをどんどんロボットに付けていく必要があるので開発費が高くなっちゃうとかはあるので、また違った課題が出てくるんですけどね。

 

 

ロボが働き、人は趣味に生きる!? 2045年未来予想図

 

――――XROBOCONは20年後の未来を掲げていますが、どんな世の中が来ると思いますか?

AIの発展のスピードはすごいですよね。人型ロボットなども非常に安くなりましたし、汎用的なものが世界的にどんどん出てますので。そう考えると20年後っていうのは完全に想像を超える世界ですよね。きっともう10年後ぐらいには、そこらへんに汎用的なロボットが普通に居る世界が来るんじゃないかな。

 

――――そんな世界で、人間がすべきことは何だと思いますか?

難しい問題ですよね。“クリエイティブな要素があるものは人間しかできないとか言われてますけど、でも実はAIも得意分野なんですよね。絵なんかも描けたりしますし。他にも“新しいものを作り出せるのは人間しかない”とも言われたりしていますが、新しいものを作り出せる人間なんていうのは本当にごく一部しかいないですもんね。

だけど、新しいものを作り出せないと人間としてダメなのか?っていうと全然そんなことはなく、人間の世界は続いていくわけで。実際に将棋や囲碁の世界で人間よりAIの方が強くなっても、将棋や囲碁の世界は無くならない。AIの方がすごいから人間の世界がなくなるかっていうと、そうではないとは思っています。

ただし一般的な“仕事”に限って考えた時、AIが普通にできることをわざわざ人間がやるのか?っていう問題は出てきますよね。だから、今みたいにみんなが普通に働く世の中がいつまで続くのかな?とは思ったりします。政治色を帯びた話になってしまいますが、ベーシックインカムが導入されて、人間の活動は趣味みたいになるのか…とかね。何が良いのか、は難しいです。

 

――――悲観的になりがちですが、人間とロボットがうまく共生できるといいなと思います

そうなんですよね。そのためにも、AIやロボットの悪用に対しての対策をどうするか、ちゃんと考えていけばいいと思います。恐ろしいのはAIを使って富が特定の人に集中しちゃうと、みんなその人の言いなりになるかもしれない。そのへんの仕組みをちゃんと考えていけば、良い未来を作り出せることは可能だと思っています。

 


 
 
 

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