齋藤悠太さん Yuta Saito
- ロボコン事務局 ROBOCON Secretariat
- 6月27日
- 読了時間: 6分
更新日:6月28日

〈プロフィール〉
Aチームリーダー
広告代理店に勤務し、アプリの研究開発を行っている。
関西を拠点に活動するものづくりサークル「Beaver's Hive(ビーバーズハイブ)」の代表もつとめる。
万博会場で“ひと暴れ”しようや
――――XROBOCONに参加したきっかけを教えてください
サークル活動の一環として参加しました。私は趣味で、ものづくりサークルに所属しているんですが、そのメンバーには色んな職業の人がいて、学生さんもいます。分野も様々で、私はソフトウェアが専門なのですが、他にはハードウェアの専門家もいます。分野は違うけど、ものづくりが好きな人が集まって、一緒にロボットコンテストやハッカソンに参加しています。
なので、幅広く色んなことができるXROBOCONは、うちらのサークルと理念が似ているです。メンバーがXROBOCONの話を持ってきたときには、「これドンピシャやん!」って盛り上がりました。


ビーバーズハイブの普段の活動
それから、このXROBOCONが関西万博の会場で開かれるっていうのも参加の決め手の1つでした。私たちのサークルは大阪に事務所を構えていて、関西を拠点に活動しているので。サークルとして何か万博に関わりたいなと思っていたところなので、参加は即決でした。
ビーバーが火星探査に行く!?
―――――XROBOCONを実際にやってみて、どんなところが楽しいですか?
XROBOCONって他のロボコンと比べると、ゲーム要素というかソフト要素が断然強いですよね。だから、AWSとかクラウドの話とかをメンバー同士でガッツリやりとりしたり。どういう演出シナリオにしようか?とか、こんなモデリングにしてみようよ!とか、そんな話で盛り上がれるというのは他のロボコンでは味わえないと思います。本当に楽しいなって思います。
―――――齋藤さんのチームはどういう演出にするんですか?ネタバレにならない範囲で教えて下さい。
今のところ、ロボットを火星探査機に見立てようと思っています。今回の試合のルールに「ロボットがコインを取りに行く」というのがあるんですが、そのコインを火星の希少な鉱物に見立てます。
デジタルツインの形で、探査機に乗ったパイロットが火星に鉱物資源を探しに行く。その過程で未知との遭遇が起こる…!!という内容です。
何をやっているのか観客にも一目でわかってほしいので、パイロットが司令部と会話しながら火星探査機(ロボット)を操縦するという臨場感ある演出にしようかなと思ってます。
―――――子どもたちも興味を持ちそうですね!
そうなんです、新しいロボコンなので、ぜひ子どもたちに見てほしいなと思って、いま一生懸命パイロットをモデリングしている最中なんですけど。ビーバーふうのパイロットです(笑)。
余談ですが、我々のサークルの名前が「ビーバーズ・ハイブ」といいまして、マスコットキャラクターが“ビーバー”なんです。ビーバーは集団で一生懸命ダムを作る習性があるんですよね。我々もビーバーを見習って、チーム一丸となってものづくりをしようと。
今回のXROBOCONでは、我々サークルの他に筑波大や名古屋(?)や大阪在住の社会人の方々と22人でチームを組んでいるんですけど、みんなで1つの目的を達成するために全員でビーバーのように頑張っています。

――――斎藤さんはソフトウェアが専門ですが、今回は具体的にどんなことをしていますか?
まず演出のところですね。演出を行うためのゲームプログラミング的なところを担っています。ユニティのゲーム画面みたいなものを作っていくんですけど。我々のチームは、AWSをLLMと繋げて演出のシナリオをLLMに判断させようとしていますので、そういうところのつなぎ込みもやっています。
また、ロボット自体を動かすためにもソフトが必要です。ロボット自体を動かすためのマイコンのプログラムもやっています。モーターやセンサーをどう動かすのか、というプログラムですね。
今回は自律ロボットなので、どういう計画で、どういう経路をたどって動くのか?さらに相手いたら、どういうふうに動くのか?みたいなのを司ってるのもロボット側のプログラムなんです。今回はプログラムが関与するパートが多いので、やりがいがあります。
―――――ハードウェア専門のメンバーはどんなことをしているんですか?
チームには、メーカーでハードウェアの仕事としている人たちが大勢いまして。その人たちは、ロボット自体をどういうふうに動かすのか、ロボットをどういう形にするのか、どういう設計にするのか、どういう加工するのか、という部分を担ってくれています。
電気や電子回路を仕事にしているメンバーもいますので、その人たちは電子回路、ロボットの回路を設計してくれています。それぞれの強みを活かして、作業分担してやっています。
XOBOCONをやっていると、WEBカメラの腕が上達する!?
―――――XROBOCONは初めての取り組みですが、どんなところにご苦労されていますか?
チームには、われわれ関西組の他に、筑波大の学生さん、名古屋の方がいらっしゃいます。関西のメンバーは対面で打ち合わせや作業ができるんですけど、筑波や名古屋のメンバーとは、オンラインで話すしかないんです。
一般的な会議もオンラインだと大変なところもありますけど、それ以上にロボコンを遠隔でやるっていうのは難しい(苦笑)。実際にモノが見せられないし、触れないわけですから。
動画に撮って送ったり、ライブでウェブカメラで見せたり、試行錯誤しながらやっています。WEBカメラでの見せ方などは、だいぶ上達しました(笑)。
業務の分担の仕方なんかもちょっとコツを掴みかけてきたので、なんとか頑張ります。
「人類には早すぎた」と言われたい
―――――XROBOCONはどんな大会になると思いますか?
めちゃくちゃ“カオス”になると思います(笑)。
あ、ポジティブな意味ですよ。このカオスさが自分は結構いいと思ってるんです。
今回の試合は、中央のフィールドではロボット同士が戦っています。そして、左右のディスプレイには、デジタルツインのロボット同士の戦いを、それぞれ違う世界観で描いたものが映し出される。つまり観客は、同時に3つの異なる世界観を見せられるわけです。
それって、すごいカオスだと思っていて。そんな状況って今までなかったんじゃないかな。それがすごく面白いですよね。人類には早すぎたかもしれない、みたいな(笑)

XROBOCON フィールドイメージ
―――――作る側も見る側も“カオス”をどう捉えるか、試されているように感じます
XRやデジタルツインの融合を試みる場は、かなり新しいと思います。そのぶん、観客の大半は「意味わからん」ってなりますよね。そこをどうまく見てもらえるようにするかっていうのは、今回我々が試されてるのかなと思います。
デジタルツインなどの考え方は、今後どんどん増えてくると思っています。同じものを見ているけど、違うものが見えてるみたいな。人それぞれ違う世界観が重畳表示されるみたいな世界は、必ずやって来ます。XROBOCONは、その先がけになるんじゃないかな。
―――――万博での“カオス”を楽しみにしています!本日はありがとうございました。
カオスの先駆けになれるように頑張ります。ありがとうございました!
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